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いちろぐ。

痴漢師A

終章


 俺が桜川を離れてから一ヶ月が経とうとしていた。
 移ってきた街でも、俺は相変わらず痴漢をしていた。今の俺の能力は全盛期と言えるほどに洗練されており、この街の女たちを堕とすことは容易だった。

 だが、痴漢師としての新たな生活が充実しているかと言えば、そうでもなかった。造作も無く堕ちていく女たちに対し、張り合いの無さを覚えてしまうのもまた事実だったのだ。 

(いや、違うな。なんとも言えないこの虚無感の原因は――)

 脳裏に六人の女たちの姿が浮かぶ。それは、桜川で出会った女たち。彼女たちは、俺の痴漢人生で出会った中でも、最高の獲物だった。彼女たちを想うと、他のどんな獲物たちも霞んでしまう。それは、この街で出会った獲物たちも同様だった。この街にも俺の目に適う女はいたのだが、俺の心を熱く震わせるほどの獲物には、未だ出会えていない。

(痴漢を生業とするのも、ここらが潮時か……)

 引退の二文字が脳裏をよぎる。自分自身が楽しめないのでは、この仕事を続けていくのは難しい。かといって、特定の獲物たちに執着しすぎても仕事にならない。今の俺の精神状態では、痴漢師としての人生はすぐに終わりを向かえるだろう。

(蓄えはまだ多少ある。ゆっくりと別の仕事でも探すか……)

 そんなことを考えながら、俺は駅のホームをうろついていた。することが無くなると駅に来てしまうのは、染み付いてしまった癖なのだ。

 この街は桜川に比べると多少スケールダウンするが、それなりに大きな都市だった。街の中心であるこの駅も、昼夜を問わずかなりの人通りである。俺は無意識に視線だけで獲物を探していた。しかし、彼女たちを超える獲物など、そうそう見つかる訳もない。

 そのまましばらくホームをうろついていると――

「エーイジっ!」
「!!」

 幼い少女の呼び声が、俺の歩みを止めた。その聞き覚えのある声に、俺は慌てて振り返る。

「えへへ、やっと会えた♪一ヶ月ぶりくらいかな?」

 そう言って、少女・片瀬美久は無邪気に笑った。その笑顔に、いつだったか、俺の免許証を盗まれたときのことを思い出した。

「もう、探したんだよ~。小田さんの痴漢仲間とかにも頼んでさ、エイジの目撃情報を聞いて回ったり」

 そう言いながら、先ほどとは打って変わって可愛らしく頬を膨らませる。少女のコロコロと変わる表情に、俺は懐かしさを覚えずにはいられなかった。

 感傷に浸りかけた俺だったが、どうしても聞きたいことがあった。

「美久、なぜ俺のところに……」

 それを聞いてどうするわけでもなかったが、聞かずにはいられなかった。俺の質問に少しの間考え込んだ後、少女は顔を上げてゆっくりとその口を開いた。

「エイジはさ、どうしてアタシたちに痴漢したの?」

 そう言われ、思わず俺も考え込む。いくつかの答えが頭に浮かんだが、そのどれもが正解のようでもあり、間違いのような気もした。
 結局答えられないでいる俺を、美久はたたじっと見つめていた。

「……ま、いーや。エイジ、きてっ」

 突如そう言うと、美久は俺の手をとって歩きだした。

「お、おいっ」

 戸惑う俺など気にもせず、美久は早足で俺を導く。
 タイミングよく電車が到着し、美久はドアの前で立ち止まる。排気音と共にドアが開くと、美久は視線で「はいって?」と促した。

 何がなんだかわからぬまま、俺は車両に乗り込んだ。美久も後から乗り込むと、「こっちだよ」と俺の背中を押した。車両内は超満員というほどでは無かったが、かなりの乗車率だった。立ち乗り客の背中を掻き分け、車両の端まで進む。
 進んだ先に、数人の若い女性のグループがいた。むさ苦しい車両内においてさながらオアシスのようなその一帯を、初めは女子大生のサークルか何かかと思ったが、それは違った。よく見覚えのある彼女たちの顔に、俺の身体の奥底がドクンと脈打った。

「探しましたよ、アキノさん……」

 愛おしそうに俺の名を呼び微笑むのは、麻美。

「ふふ……、久しぶりね」

 うっすらとサディスティックな笑みを浮かべるのは、京子。

「バカエイジったら、何も言わずに消えるんじゃないわよ」
「エイジさん……、また会えて嬉しいです……」

 瓜二つの容姿ながら、対照的な言葉を投げかけるのは、双子姉妹、千夏と千冬。

「エイジくん……」

 ただ俺の名を呼び、母性溢れる優しい笑みを浮かべるのは、美久の母親、綾乃。

「お前たち、どうして……」

 この一ヶ月、常に俺の脳裏に浮かんでいた女たちが、一堂に会している。その光景に、俺は思わずこれは夢なのではと疑ってしまう。

「えへへ、みんな、エイジに会いたかったから来たんだよ」

 後ろから美久が語りかける。最後に彼女は「もちろんアタシもね」と付け足す。

「私たち、アキノさんに痴漢されたことが、どうしても忘れられなかったんです……」
「貴方がいない間、私たち身体が疼いて仕方がなかったのよ?」

 そう言って麻美と京子が頬を赤く染める。妖艶な色気のある二人の表情に、俺は再び鼓動が高鳴る。

「それなら、小田たちに頼めばいつだって相手をしてくれただろうに」

 俺がそう言うと、女たちを代表して綾乃が「それは違う」と口を開いた。

「私たちは、エイジくんがいいの。他のどんな男の人よりも、エイジくんに痴漢されるのが一番感じちゃうの……」

 そう言って綾乃は俺に寄り添ってくる。綾乃に同調するように、他の五人も俺の身体に身を寄せる。
 鼻腔をくすぐる懐かしい牝の香りに、俺はもはや我慢の限界だった。

「エイジくん……、今日は私たちが、エイジくんを気持ちよくしてあげる……♥」

 綾乃のその言葉を合図に、女たちからの奉仕が始まった。


 綾乃は俺のズボンから半勃ちのペニスを取り出すと、淡いルージュを纏った口唇でその先端を咥えた。

「んっ……、はむっ……んん……」

 綾乃の口内は温かかった。綾乃は亀頭に唾液を絡ませるように、ねっとりと舌先で舐めまわす。母性を感じさせる綾乃の熟練のフェラチオに、俺の肉棒は瞬く間に硬直し、肥大化していく。

「すごい……、アキノさんのおちんちん、あっという間に固くなってます……♥」
「うふふ……、それじゃあ、私たちの奉仕も堪能してね?」

 肉竿が限界まで張り詰めると、今度は麻美と京子が左右から下を伸ばした。

「んっ……ちゅっ……アキノさんの、すごい固い……♥」
「んん……、もう……、元気いっぱいね♥んっ、れろ……」

 二人は両側から剛直を舐めまわす。ざらりとした舌先がねっとりと纏わりつき、肉棒に心地よい刺激を与える。ときおり竿上で二人の舌先も絡み合い、その淫靡な光景が俺の興奮を増幅させた。
 極上の奉仕はペニスへのものだけでは終わらなかった。

「エイジさん……♥私たちも気持ちよくしてあげますね……♥」

 双子姉妹は、俺の上半身の衣服を器用に脱がせた。そして露出した乳首をその小さな口に含む。

「んっ…、ふふ……、エイジは乳首舐められるの好きなんだよね。ん、ちゅ……♥」
「あむっ……、エイジさんの乳首、固くなってますぅ……んっ、れろ……♥」

 二人は小さな舌先で、俺の乳首をコロコロと転がすように舐める。ピリピリと仄かに痺れるような快感が全身に広がり、堪らず思考が鈍りそうになる。


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 ぼーっとした意識を連れ戻したのは、美久からの接吻だった。

「ん、ちゅ……♥エイジ……、んっ、ふっ……♥」

 背の小さな美久が、背伸びをして懸命に俺に口付ける。

「エイジぃ……、んちゅっ、はむっ……んんっ……♥」

 稚拙な舌使いで、美久は執拗に舌を絡めてくる。その健気な奉仕に愛しさを感じながら、俺も彼女のディープキスに応える。

「まぁ……エイジくんのおちんちん、また大きくなったわ……♥」

 六人からの全身への奉仕に、俺はかつて無いほど興奮していた。みちみちと張り詰めていく剛棒に、フェラチオをする三人の奉仕にも熱が篭る。

「すごく逞しいわ……♥あむっ、れろ……ちゅぅ……♥」

 肥大化したペニスの先端を、綾乃がぱっくりと咥えこむ。そしてそのまま、唾液を絡めてジュポジュポと激しく吸引する。

「あぁっ……アキノさんのおちんちん、ビクビクしてます……♥」
「ふふっ……、私たちのフェラチオがそんなに気持ちいいんだ……?」

 激しすぎるフェラチオに、俺の肉棒は限界を迎えようとしていた。射精が近いと知るや否や、三人のフェラチオはいっそう激しさといやらしさを増していく。上半身を責める三人も、負けじと乳首と口唇への奉仕を続けている。皆、奉仕を続けながら息を荒げており、熱の篭った奉仕に自らも興奮しているようだった。

「くっ、もう出るぜ」
「エイジくんっ…、私の口に出してっ……♥」

 ほどなくして、俺の肉棒は精を放出した。

どぴゅるるっ!どびゅっ、どびゅっ!!

 綾乃の口内から吸引されるように、精液が吸い上げられていく。どくどくと流れ出る白濁液を綾乃は零さぬよう全て吸い上げ、そのままゆっくりと飲み込んだ。

「んんっ……ふぅ……。いっぱい出たわね、エイジくん……♥」

 口端から一筋の白濁液を垂らしながら、綾乃はうっとりと微笑む。他の五人も、それぞれ頬を上気させて官能的な笑みを湛えている。彼女たちの表情を眺めていると、俺の股間には再び血が集まってくる。

「エイジ、気持ちよかったでしょ?でも……、本番はこれからなんだからね」

 そう言って、美久は悪戯っぽい表情で微笑んだ。そしてそのまま下着に手をかけ擦り下ろすと、こちらに向けて濡れた淫部をさらけ出した。
 他の五人も、美久に習ってこちらに尻を突き出し、愛液で艶かしく輝く秘裂を、俺の眼前に晒した。


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 六人の媚尻が一列に並ぶ光景に、俺は一ヶ月前の興奮が蘇っていた。あの時と違い、今はこの女たちを一人で相手をしなければならない。肉体的にはかなりの苦労になりそうだが、今はそれが楽しみで仕方がなかった。

「エイジ……、誰から相手してくれるの……?」

 美久のその言葉を合図にして、俺は一人目の女の尻をこの手に掴んだ。



「あぁっ…あんっ、アキノさんっ……はぁああんっ♥」

「アキノくんっ……、んっ……、あぁっ、そこいいっ♥」

「ばっ、バカエイジっ……、アタシのことも、気持ちよくしなさいよ…、んっ、ああっ♥」

「ふぁぁあっ、エイジさんっ、んああっ、気持ちいいですぅっ……♥」

「あっ、あんっ♥エイジくん……、すごいっ、気持ちいいのぉっ……♥」

「ふぁああっ、エイジぃっ……♥んっ、あぁっ、やぁあんっ♥」

 女たちの膣内を次々に犯していく。順番など気にすることもなく、膣から膣へ、好きなように肉棒を突き入れていく。膣壁の感触も絞まり具合もそれぞれ異なるが、どれも甲乙つけ難いほど気持ちよい。

「んぁああっ、エイジっ……♥イクときはアタシの中でイッてぇっ……♥」
「あぁっ、最後はお前の膣内に出してやるよ、美久」

 宴の終焉は、美久の膣内で迎えることにした。俺はフィニッシュへ向け、高速で腰を突き動かして美久の膣穴を蹂躙する。美久の肉棒に絡みつくような媚肉の絞めつけに、ついに俺は限界に達した。

「ああぁっ、エイジっ……、イクぅぅううっ♥」
「くっ、出るっ」

どっぴゅるるるっ!!どくっ、どくどくっ!

 美久の膣の奥底で精液を解き放つ。勢いよく射出されたザーメンは美久の子宮口をノックし、膣内を満たしていく。

「あぁっ、エイジの精液、いっぱい出てるよぉ……♥」

 胎内に満たされる白濁液を感じながら、美久自身も絶頂の余韻に震えている。肉棒を引き抜くと、栓を無くした秘穴から白い粘液がどっぷりと逆流した。

「ふぅ……気持ちよかったぜ、お前ら……」

 心地よい脱力感の中、同じように息を荒げている女たちを見渡す。

「私たちも気持ちよかったわ、エイジくん……」

 女たちは、皆頬を染めたままうっとりと微笑んでいる。その幸せに満ちた表情に、俺の心も充実感で満たされていくのだった。




 それから、約一年。
 俺は痴漢師を引退した。痴漢を生業としなくなった今は、フリーターとして細やかな生活を送っている。

 だが、痴漢自体をやめたわけではない。生計を立てるためではなく、自分自身が楽しむためだけに痴漢を続けている。
 時間に余裕ができると、俺は桜川に赴く。桜川には、俺の手に魅了された六人の女が待っている。今の俺は、彼女たちとの痴漢プレイでしか満足できなくなってしまったのた。

 今日も俺は桜川駅にやってきた。そのまま電車に乗り込み、俺は女の姿を探した。
 満員の車両の中、俺のよく知る小柄な少女の背中を見つけ、背後まで近づく。そのまま声も掛けず、その引き絞まった美尻を撫でる。


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「んっ……あぁっ……」

 少女・美久は、いつもと変わらぬ可愛らしい声で小さく喘いだ。俺は手を前方に回し、上から下着の中の花園に指先を差し込んだ。同時に片手を上半身の美乳に伸ばし、包み込むように揉む。一年で乳房はかなり成長しており、以前の張りとはまた違った、柔らかい揉み心地だった。
 ちなみに、神の手と呼ばれた俺の能力は、今はもう使っていない。能力に頼らずとも、彼女たちの思考は手に取るようにわかるし、快感を与えることも自由自在なのだ。

「あんっ……、エイジ、そこいいっ…、んっ……♥」

 一方の美久も、今では姿を確認せずとも俺の存在に気づくようになっていた。痴漢が俺だとわかった途端、彼女は俺が触りやすいよう、身体を俺に摺り寄せてきた。成長しながらも敏感さは失われていない美久の身体を、俺は存分に楽しむ。

 聞くところによると、彼女は今、麻美と同じアイドルグループに入り、研修生をしているらしい。進級を機に自分のやりたい事を見つけたようで、母親である綾乃も、受験勉強をしっかりすることを条件に、しぶしぶ了承したようだ。麻美はこのことを非常に喜んでおり、今では美久のことを妹のように可愛がっている。
 ちなみに、麻美は現在急速に人気が高まっており、グループでもナンバーワンになるのも目前のようだ。トップに昇格した美久と二人で、グループの二枚看板になるのもそう遠い先の話ではないと、二人の魅力を知る俺は思う。


「あっ、あぁっ、イッちゃぅぅうっ……♥」

 身体を震わせて、美久が絶頂に達する。しばらくアクメの余韻に浸った後、美久は俺に背中を預けてきた。成長したとは言え未だ小さなその身体を、俺は優しく受け止めた。



 こんな感じで、今でも俺は痴漢を楽しんでいる。小田やその仲間たちは今でも俺に協力してくれるため、やろうと思えば女を複数人集めての乱交だって可能なのだ。

(さあ、明日は誰の身体を堪能しようか)

 美久の体温を直に感じながら、俺は残りの女たちの魅惑の身体に思いを馳せた。
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